命の恩人のイギリス人に感謝どころか非難する孫文
親切と愛情。この2つは中国人の最高の美徳である。・・・・・この2つの美徳において我が中国人が他国に遅れをとるとは毛頭思えない。・・・・・信義について。我が先人は信義を持って隣邦に接してきた。我が中国人ほど信義を実践する国民はいない。
と、今は亡き孫文は書いた。がしかし、その孫文自身、何度も暗殺者に狙われ、騙された人間である。他に人がいないから近代中国の先駆者とか聖人とか思われている。前にも書いたが、孫文の「三民主義」は中国人の聖書となっていて、ここに引用したのはその一部である。同じ中国人から弾が飛んで来ても、あるいは家族も財産も略奪されても「三民主義」を持ち上げる文人が多いので、「三民主義こそ中国を導く精神的支柱」という虚構が定着している。孫文は何度も日本へ亡命している。またイギリスへ逃れたこともある。その時、中国政府の暗殺命令を受けた刺客に襲われ、危ういところでイギリス人の友人に助けてもらったが、その恩を忘れ、イギリス人の悪口を書き散らしている。中国に帰ってからも同じ中国人に狙われ、またも運良くイギリス人に匿ってもらったが、それでも反英プロパガンダを続けた人間である。助けたイギリス人は軽い気持ちで助けたのかもしれない。もしかしたら身の危険をも顧みず、匿ったのかもしれない。
その命の恩人のイギリス人に、騎士道精神に感謝の気持ちを述べた文章に出会ったことがない。
自覚こそ立ち直りの一歩
「中国は戦争で一度も勝ったことがないが、それは平和愛好家だからである」と言う人がいる。まことに滑稽な話である。確かに戦争には負けっぱなしであるが、お上の権力が弱まると、早速仲間同士で殺し合いが始まる。歴史を見れば昔からそうであった。「それから何百年も乱世が続いた・・・・・」と綴っている。にもかかわらず、「静かに微笑む華の国」と言ってのける。朝廷に権威があった時代でも内紛は絶えない国。夫婦喧嘩は絶えず、夫に虐待されても法にすがることができず、意趣晴らしに自殺をする妻が多い国。部族同士の争いが頻発しても、腐敗した官僚では、慈悲深い裁きを下せない国。新聞雑誌、裁判記録、年代記などを丹念に調べると、血生臭い嵐が全土に吹き荒れている。
腐った堆肥に咲く美しい花。何と素晴らしい対比だ!病人や怪我人を誰も助けない国。人が溺れても誰も助け舟を出さない国。腐敗役人が幅を利かす国。法に訴えることができず、意趣返しの自殺が絶えない国。2,3ドルの漆器を売るのに6ドルの護衛を雇う国。貧しい人のための血清を奪い、金儲けをする役人天国。外国人が付いて行かないと、危なくて召使が外出できない国。留学組みの将校の下で、士気の上らない兵卒が年老いた百姓のばあさんをとっ捕まえ、牛馬のように荷物運びをさせる国。こういう国である。
知識層は安全な外国の疎開に居を構え、海外に亡命し、天使様のあふれる愛だの慈悲だのと暢気な詩をひねくり出したり、文章を書き散らしている。嘘、現実逃避である。鈍感で誠意がなく、悪いところを認めようとしない。認めることこそ立ち直りへの第一歩である。
(P225~226)
『暗黒大陸中国の真実』ラルフ・タウンゼント著(1933年)
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