- 【元祖エロバース】Second Life 晒195【アニアバガイジ大発狂】
647 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー![sage]:2026/05/13(水) 01:53:45.50 ID:6cMAgTPf - 小説 セカンドライフ 第07話:出会い
「……はぁ、……はぁ。よし、やるか……」 現実世界の薄暗い六畳一間。おじさんは額の脂汗をパジャマの袖で拭い、意を決してゲーミングPCの電源を入れた。七色に光る冷却ファンが回転を始め、モニターには『Second Life』のログイン画面が浮かび上がる。 正直、怖かった。昨夜、コンビニの駐車場でリッくんが見せた、あの物理演算を無視して膨らみ、迫ってきた「性欲の塊」。あの粘着質で狂気に満ちたメッセージが、今も耳の奥にこびり付いている。 (あんなクソジジイ、まじでやべーよ……。IPアドレスまで解析されたんだ、ログインした瞬間にまた襲われたら……。いや、でも心愛さんとの約束があるしな……) おじさんは無意識に自分の尻を片手で庇うようにしながら、震える指で「ログイン」をクリックした。画面が暗転し、日本人街の駅にしふぉんが実体化する。周囲を見渡し、あの不気味な小動物の影がないことに安堵の溜息を漏らした。 レトロ急行列車のスクリプトは依然として沈黙したままだった。掲示板には「修復作業中」の看板。しふぉんは、静まり返った駅のホームで一人立ち尽くしていた。 「あら(笑)とっても残念ですが、急にリアルの仕事が入ってしまいましたヨ!!(汗)某省庁の担当者と会食なんですの……接待マグロですわネ!!(^_^)v」 ログインするなり、心愛の部長ログが画面を埋めた。同時に、リッくんからも短いテキストが飛んでくる。 『...Hospital appointment. Realside. Gotta go.』 おじさんは手慣れた操作で、画面上のテキストを選択し、翻訳機を走らせた。 [Translation]: 病院の予約があります。現実世界。行かなければなりません。 翻訳機の無機質なフォントを確認し、おじさんはようやく胸をなでおろした。 (……通院か。アイツがいないなら、今日は襲われずに済む。助かった……!) 切迫していた性的な危機が去り、張り詰めていた神経がふっと緩む。だが、それと同時に、波が引いた後の砂浜のような、空っぽな静寂が襲ってきた。
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- 【元祖エロバース】Second Life 晒195【アニアバガイジ大発狂】
648 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー![sage]:2026/05/13(水) 01:55:04.76 ID:6cMAgTPf - (……あ。俺、今……一人なんだな)
誰からも狙われず、誰からも干渉されない、安全で清潔な孤独。画面の中の「しふぉん」は、何万ものピクセルで構成された完璧な美少女だが、その背後にいるのは、薄暗い部屋で一人、脂汗を乾かしている中年男だ。 自分を守るための演技。自分を偽るための虚構。守りきったはずの「安全」の真ん中で、おじさんは自分がどれほど深く、広大な孤独の海に沈んでいるかを、今さらながらに思い知らされていた。 「えぇ〜……二人とも行っちゃうのぉ? まじ詰んだ……。しふぉん、ぼっち確定なんですけどぉ〜! ぴえん(T_T)」 画面の中では即座に演技を再開したが、キーを打つ指先は、さっきの恐怖とは違う理由で、かすかに震えていた。一人取り残されたしふぉんは、重い孤独を引きずりながら、目的もなくサブカル・ストリートへと足を向けた。 (……はぁ。俺、何やってんだろ。現実ではワンカップ啜って、ネットではおじさんに尻狙われて……。もう、引退時かな) そんな自虐的な思考に沈んでいた時。路地裏で彼女…… Ne0n_2 と出会った。 そのアバターは、周囲の古びたテクスチャを嘲笑うかのように、異常なまでの透明感を放っていた。複雑な発光パターンを刻むサイバーな瞳が、道端に放置されたバグの残骸――多角形が崩れ、虹色のノイズを垂れ流すゴミ箱――を、愛おしそうに見つめている。 おじさんは、雷に打たれたように入力を止めた。 (……なんだ、この子。誰も見向きもしないバグの塊を、あんなに綺麗な目で……) 心愛のように権力を誇示するわけでもなく、リッくんのように欲望を押し付けるわけでもない。ただそこに在る「歪み」を、ありのまま慈しむような立ち姿。その無防備で純粋な美しさに、おじさんの胸の奥、固く閉ざしていた場所が、音を立てて貫かれた。 まるで、自分という存在の「バグ」さえも、彼女なら見つけ出してくれるのではないかという、身勝手で切実な予感に喉が熱くなる。
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649 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー![sage]:2026/05/13(水) 01:58:13.60 ID:6cMAgTPf - 「あ、こんにちはぁ……(o^∇^*) ここ、シェーダーの使い方がすごく独特ですねぇ。古いけど、逆にエモいかもぉ……」
しふぉんは、チャットの行間に漂う澄んだ空気感に、震える手で応答を返した。「……あ、わかるぅ! そのゴミ箱、ポリゴンの隙間から宇宙が見えるやつですよねぇ!(☆∀☆)」 「えっ、気付いてくれる人初めてなんですけどぉ! やば、アガるぅ〜!(≧▽≦)」 二人のチャット速度が、火花を散らすように加速する。専門学校で最新の技術を学ぶNe0n_2の鋭い視点と、長年この世界を彷徨ってきたしふぉんの愛着が、パズルのピースのようにはまった。 「ねぇ、もっと変なの見に行きませんかぁ!?」 「行く行くぅ! しふぉん、とっておきの場所知ってるよぉ〜!(≧▽≦)」 二人は重い空気を脱ぎ捨てるように、美しいSIMを次々と飛び回った。 北欧の大自然を模したエリアでは、霧が立ち込めるフィヨルドの絶景に飛び込んだ。アバターの吐息が白く光る演出に「まじで空気冷たそう〜!(>_<)」「鼻の頭赤くなるエモートあったよねぇ!?(≧▽≦)」とはしゃぎ合い、焚き火を囲んでパチパチという音のテクスチャにまで共感し合う。 次に訪れたデジタルボーカロイドの世界では、ネオンに彩られた幾何学的な空間を、重力を無視して跳ね回った。降り注ぐ電子の雨の中、同期したダンスエモートでステップを刻む。 「しふぉん、リズム感レベチなんだけどぉ!(☆∀☆)」 「ねおんちゃんこそ、そのアニアバの動き可愛すぎなんですけどぉ!(≧▽≦)」 最後に向かった、リアルにあるような巨大テーマパーク。ジェットコースターの風圧、メリーゴーランドのノスタルジックな音楽。 「しふぉん、見て見てぇ!(≧▽≦) わたあめ装着したよぉ!」 「あはは! 超かわいい! 写真撮っちゃお!(☆∀☆)」 会話が重なるたびに、しふぉんは自分の指先が熱くなるのを感じていた。ただのテキストのやり取りなのに、まるで現実の空気の密度が変わったかのような錯覚。心愛の強引なマウントも、リッくんの歪んだ執着も届かない、二人だけの静かなパケットの海。
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650 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー![sage]:2026/05/13(水) 01:59:23.92 ID:6cMAgTPf - しふぉんの心に、名前の付けられない感情が芽生えていた。隣で楽しげに笑い、自分を信じ切っているNe0n_2を見ていると、自分がついている嘘の重みに押し潰されそうになる。
「ねおんちゃん、あのね……。あのね……(>_<)」 ついに、しふぉんはタイピングした。 「実は、しふぉん……本当は……」 すべてを打ち明けようとしたその時。Ne0n_2が、しふぉんの口元に、自分のアバターの指をそっと置くエモートを実行した。 『...Stop.』 反射的に翻訳機が反応し、チャット欄に「停止」という文字を吐き出した。 「ここにいるのは『しふぉん』でしょ?」 Ne0n_2の瞳の回路模様が、静かに、どこか祈るように明滅した。 「ねおんはね、この世界で……必死に呼吸してる……。そんな何かに守られているしふぉんさんだから、ねおんは安心できるんだよ……」 おじさんは息を呑み、言葉を失った。 彼女もまた、現実という肌を脱ぎ捨てて、ここでしか触れられない絆を求めて彷徨う、鏡合わせの孤独。 輪郭の曖昧な、だが否定しようのない共鳴が、画面越しにおじさんの胸を貫く。しふぉんは、それ以上言葉を続けることができなかった。画面の中のしふぉんの瞳が、現実のおじさんの視界と同じように、少しだけ滲んだ。 (v^ー°) (つづく)
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