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連載第2部<MJの本質・未完の国産旅客機> イントロダクション

2022年8月17日 00:00(2022年8月24日 15:13 更新)
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2018年6月、米モーゼスレイクで飛行試験するMRJの試験機(酒井博章撮影)

2018年6月、米モーゼスレイクで飛行試験するMRJの試験機(酒井博章撮影)

 国産ジェット旅客機の開発構想が動き出したのは、戦後初の国産旅客機「YS11」が初飛行してから41年後の2003年。経済産業省が小型機計画の開発主体に三菱重工業を選び、当初は「MJ(三菱ジェット)」との呼び名で30~50席の機体開発を目指した。

 構想を具体化する中で、北米やアジアの地域路線での需要増を見込み、座席数を70~90席に変更。08年3月に全日本空輸から世界初の25機の発注があり、「MRJ」の名称で事業化が決定。三菱重工子会社の三菱航空機が設計を担い、90席級の初号機の納入は13年後半を予定した。

 空気抵抗を小さくする機体設計と効率を高めた米社製の新型エンジンを採用し、燃費性能は従来のライバル機に比べて2割向上。広い客室スペースを売りに、国内外航空会社などから最大447機(現在は287機)を受注した。

 だが、設計の変更と商用化に必要な「型式証明」の取得遅れなどで開発は困難を極め、初号機の納入は6度も延期。国費500億円を含む約1兆円の開発費を費やしたが、三菱重工は新型コロナウイルス禍で機体需要が見通せないとして20年10月に「いったん立ち止まる」と3年間の開発中断を発表。現在も再開の見通しは立っていない。

 三菱重工業が開発を凍結中の日本初の国産ジェット旅客機。機体の登録記号は「MJ」と三菱ジェットの頭文字を持つ。今回は、安全な航空機を求め、危険と隣り合わせの空に挑み続けるテストパイロットの視点から、現場で何が起きていたのかを伝える。


《【第1部イントロダクション】はこちらから》
(1) 真っ青な作業着は、ごみ箱に捨てた。

(1)さあ、行こう

 がらんどうの飛行機の中で、機体にそっと右手を添えた。「今日は、一緒に飛ぼうな」濃紺のフライトスーツに身を包んだ男が、心の中で語りかける。客席もなく、配線や断熱材がむき出しになった機内。「飛ぶ準備はできている」。そんな声が返ってきそうだった…【続きはこちらから→ ※無料公開

(2)さあ、行こう2

 ロシア極東のカムチャツカ半島を1機の機体が北上する。火山地帯が生み出すごつごつとした地表には草木が一切生えておらず、火口からは白煙が立ち上る。「SF映画に出てくる、違う星のようだ」三菱航空機(愛知県豊山町)のチーフテストパイロット、安村佳之(64)は、コックピットの窓から眼下に広がる景色に息をのんだ…【続きはこちらから→

(3)パイロットの道

 「ガン!」。衝撃音とともに機体が激しく揺れた。操縦席の正面でオレンジ色の警告ランプがともった。液晶画面に「エンジン・フェイル・エル(左エンジン停止)」と文字が出た。2017年8月21日の夕方。米国オレゴン州ポートランドの西約170キロの海上で、飛行試験をしていた「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の試験2号機の左側エンジンが、突然、止まった…【続きはこちらから→

(4)世界と並べるか

 シャレー(山小屋)と呼ばれる商談スペースの白いテントが滑走路の横に並ぶ。英南部ファンボローで2年ごとに開かれる世界最大級の航空見本市。2018年7月、MRJ(三菱リージョナルジェット)のチーフテストパイロットの安村佳之(64)は、イベント最大の見せ場であるデモ飛行に臨んでいた…【続きはこちらから→

(5)すれ違い

 MRJ(三菱リージョナルジェット)の飛行試験の拠点がある米モーゼスレイクの朝は早い。チーフテストパイロットの安村佳之(64)らは、午前4時ごろから準備を始め、太陽が昇るころに離陸する。「朝の方が気流が安定している。離着陸に関わる試験は日の出にやった」…【続きはこちらから→

(6)急降下

 新型コロナウイルスが世界で猛威を振るい始めた2020年5月中旬。米モーゼスレイクで飛行試験を担当するパイロットや技術者が事務所の一室に集まり、息を凝らしてテレビ会議の画面を見詰めていた。「本年度の米国での飛行試験を中断します」 ...【続きはこちらから→

(7)今を生きる

 「開発活動を、いったん立ち止まる」。2020年10月30日、三菱重工業の中期経営計画発表の場。社長の泉沢清次(64)が、スペースジェット(SJ、旧MRJ)の全ての開発を3年間、凍結すると表明した。それに先んじて、米国での飛行試験は中断されており、チーフテストパイロットの安村佳之(64)は、4年にわたる米国滞在を終え、日本に帰国していた…【続きはこちらから→

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