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小野不由美&十二国記 其の192
1 :
イラストに騙された名無しさん@\(^o^)/
:2014/10/06(月) 21:15:18.65 ID:l52DJ59/.net
「十二国記」など小野不由美作品について、熱くマターリと 語りましょう。
新潮社より「魔性の子」の新装版及び、新作書下ろし長編を含む
「十二国記」シリーズ全作品を新潮文庫から順次刊行中。
詳細と予定は新潮社公式サイト参照。
http://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/
メディアファクトリーの「ゴーストハント」シリーズ(悪霊シリーズリライト版)は全7巻で完結。
小野不由美関連まとめサイト
http://12ch.w-site.jp/
次スレは
>>980
がスレ立て宣言をした後で立てて下さい。
【前スレ】
小野不由美&十二国記 其の191
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/magazin/1409842513/
【小野不由美&十二国記関連スレッド】
十二国記 第五十八章
http://maguro.2ch.net/test/read.cgi/ranimeh/1383176917/
AA長編板:十二国記 十三章
http://peace.2ch.net/test/read.cgi/aastory/1284212808/
中国英雄板:十二国記
http://hello.2ch.net/test/read.cgi/chinahero/1169889671/
十二国記なりきりスレ
http://kanae.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1392257271/
煩悩の十二国記*十四冊目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1296610551/
2 :
イラストに騙された名無しさん@\(^o^)/
:2014/10/14(火) 18:46:52.35 ID:9p0+RbSF.net
('仄')パイパイ
3 :
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/22(月) 00:40:51.01 ID:p7Mhks0Ut
このスレまだ生きてんのか。真正の壁打ちに良さそうだな。
4 :
イラストに騙された名無しさん
:2015/06/22(月) 06:39:23.75
なんと・・・
このように寂れた土地にもまだ生きている民がいたのですね
5 :
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/22(月) 22:25:49.58 ID:dcDKdalUn
いつまでも残ってても何だから地道に埋めてくか。
本編読むと飢えが募るので久々に魔性の子読んだった。新装版じゃないほう。新装でも大して中身変わらんかったけど。
スレでも以前から中途半端とか言われてたけど改めて読むと確かになと思った。
元々魔性の子読んでいてつまんなくて随分後になって図南読んであれ?と思い(図南は面白かった)
そこで魔性の子も十二国記だったと知ったけどつまんないって感想は変わらず。
何でだろー?と思って考えて原因いっぱい考えたので独り言的につらつら書いてく。
トリップつけるのでうざいと思ったらNGしてくれ。
6 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/23(火) 12:39:36.81 ID:eGlkDPJTt
【ちょっとの批判も許せない斧信者はNG推奨。】
@冗長な文
取り敢えず内容は置いて文の冗長さに着眼してみる。改めて読むとこの辺改善されてたらそれだけで結構読み易いかって部分も多かったんで。読み易いと頭に描写が入り易い分世界にも入り易いしな。
あと小説本文を自分で打つのとか面倒なんでネットに転がってた初版のTXTファイルを使う。
新装版とも比べてみたが新装は誤字の修正とかが主体で文章自体は殆ど変わってなかったから今でも通じる筈。
> 広瀬は苦笑し、もう一度高里を見る。彼はそんな広瀬をじっと見返していた。
> 「居残りか?」
> 「いえ」
> 「じゃ、具合でも悪いのか?」
> 側に寄って聞くと、じっと広瀬を見上げて首を振る。【★】
> 「いいえ」
> 高里の返答はどこまでも短い。
なんかテンポ悪い。斧さんて科白間にいちいち余分な地の文入れるけど【★】の文とかいらないんじゃと思う。
何かと苦笑ばっかなのも昔から言われてる通り。苦笑を削って【★】の文を先頭の文と統合するとこうなる。
> すぐ側まで歩み寄った広瀬は、もう一度高里を見た。彼はそんな広瀬をじっと見返していた。
> 「居残りか?」
> 「いえ」
> 「じゃ、具合でも悪いのか?」
> 「いいえ」
> 高里の返答はどこまでも短い。
こっちのほうがテンポいいし内容的にも変わらないから充分じゃねと思う。末尾の”返答はどこまでも短い。”の表現も素直に体感できる気がする。
7 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/23(火) 12:40:31.24 ID:eGlkDPJTt
こんな感じで斧さんは科白間に無理やりな感じの地の文を挿入する癖があるっぽい。
苦笑の多用から解かるように描写の引き出しが少ないのに、何とか人物の所作の描写を入れようとして失敗してると言うか。
実際は無理に地の文を挿入しない方が文章の勢いが殺されない上、読み易いし自然で分かり易い部分が多い。
> 「ひとり、変わった子がいますよね」
> ああ、と後藤は声を上げた。
> 「広瀬も気がついたか。高里だろう?」
> そうとうなずく広瀬に、後藤は笑う。
> 「変わった奴は同類を嗅ぎ分けるのがうまいな。俺は高里を見たとき、広瀬みたいな奴がいると思ったぞ」
> 「おれとはタイプが違うでしょう」
これの地の文を削除してみる。それだと繋がらないところに広瀬の返答を挿入。
あと広瀬の名は科白・地の文問わずバリバリ出てるのでメリハリ付ける為に科白内は二人称にしてみる。
> 「ひとり、変わった子がいますよね」
> 「お前も気がついたか。高里だろう?」
> 「ええ」
> 「変わった奴は同類を嗅ぎ分けるのがうまいな。俺は高里を見たとき、お前みたいな奴がいると思ったぞ」
> 「おれとはタイプが違うでしょう」
や、これで充分じゃなかろうか。
ここは地の文を削除するだけじゃなく「ええ」を入れたが、単純に地の文削るだけでテンポが格段に良くなると思う箇所が山ほどあった。
8 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/23(火) 12:41:37.65 ID:eGlkDPJTt
> 「一見おとなしそうでしょ、あいつ」
> 築城の声にはどこかしら刺のようなものが含まれていた。【←削る】
> 「実際おとなしいんじゃないのか?」
> 「まぁ、それはそうですけど」
> 不満が滲んだような口調だった。
↓↓↓
> 「一見おとなしそうでしょ、あいつ」
> 「実際おとなしいんじゃないのか?」
> 「まぁ、それはそうですけど」
> 不満が滲んだような口調だった。
わざわざ書かなくても一見〜が棘や悪意のある科白なのは明らか。こういう言わずもがなな地の文が多くて却って文章の勢いがそがれてる。
どうも斧さんは科白が続くのを嫌がってるぽいが、地の文が多ければ高尚って訳でもあるまいにと思う。
ラノベ作家て言われるのを嫌ってるらしいからそのせいなのかね。科白ばかりだとラノベっぽいと思ってるんだろうか。
> 「単に暗い奴じゃないか。とっつきは悪いけどよ。それとも、あいつ裏で何かしてるわけ」
> 岩木が言うと、築城は吐き出すように言った。【←削る】
> 「とにかく、あいつは変なんだよ」
↓↓↓
> 「単に暗い奴じゃないか。とっつきは悪いけどよ。それとも、あいつ裏で何かしてるわけ」
> 「知らないよ。とにかく、あいつは変なんだよ」【←科白冒頭に繋ぎの文を挿入】
> 「――とにかく、あいつは違うから」
> 岩木がこれみよがしに溜息をつく。【←溜息も苦笑と同じく多い。皆何かと溜息ついてる】
> 「単に無口なだけだろ。今時いじめかぁ?」
> 揶揄するような声に築城は視線を落とす。
↓↓↓
> 「――とにかく、あいつは違うから」
> 「単に無口なだけだろ。今時いじめかぁ?」
> 揶揄するような声に築城は視線を落とす。
9 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/23(火) 12:42:54.41 ID:eGlkDPJTt
> 「どこなんだ、これは?」
> 広瀬が聞くと、高里は首を振った。【←削る】
> 「覚えていません」
> 「覚えていないのに、絵を描くのか?」
> 聞くと高里は生真面目な表情でうなずく。【←削る】
> 「はい」
↓↓↓
> 「どこなんだ、これは?」
> 「覚えていません」
> 「覚えていないのに、絵を描くのか?」
> 「はい」
> 「ああ。聞いた」
> 築城はうなずく。【←削る】
> 「一昨日高里が嫌そうな顔したから、絶対にヤバいって思ったんだ……」
> 口を噤んだ築城を広瀬は促す。【←削る】
> 「それで?」
> 「そしたら、作業してるとき、変な手が現れて足を掴んだんです」
↓↓↓
> 「ああ。聞いた」
> 「一昨日高里が嫌そうな顔したから、絶対にヤバいって思ったんだ……」
> 「それで?」
> 「そしたら、作業してるとき、変な手が現れて足を掴んだんです」
苦笑する・溜息をつく・振り返る・首を振る辺りの描写はやたらと多い。それも科白と科白の間。
そういった言わずもがなな地の文は出来るだけ削った方が読み易いし頭にも入り易いと思った。
何しろ一ヶ所二カ所ならまだしも、冗長な文章が本の最初から最後まで延々と続いてるからウンザリするしな。
あと高里は頻繁に頭を下げてる。この辺は十二国記の設定を知った後だと??となるが、言わずもがなな地の文を削るとその箇所も削れて一石二鳥
10 :
イラストに騙された名無しさん
:2015/06/24(水) 19:27:05.64
それは・・・言葉は悪いが文章を伸ばさなきゃならないときのテクニックのひとつだよね
魔性の子を読んだときページ数を稼いだのかなって思った
11 :
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/25(木) 01:01:05.36 ID:zpnYHjq/b
ページ数を稼ぐ意図あったのかねえ。魔性の子は元のも400Pを越えてたろ。新装版の方だと500P近い。
試しに邪魔と思える地の文全部削ってみたがページ数自体は大して削れなかった。ブラッシュアップしても十分長編だと思うけどな。
12 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/25(木) 01:07:34.39 ID:zpnYHjq/b
A広瀬視点以外
@冗長な文で言わずもがなな地の文が多いと書いたが、全体的に書き過ぎで余情も余韻も無いんだよな。
でもホラーはそれじゃだめだろうと。例えば夜の墓地は怖いかも知れないが前後左右上空から死角もなく影も出来ないほど強烈なサーチライトで照らされてたら怖くも何ともない。
そんな場所で例えば肝試しなんてしたら興醒めもいいところだろう。書き過ぎの文はそんな感じだ。
そりゃ昼日中でもゾンビとかが徘徊してたら怖いが、それは凶器を持った犯罪者の徘徊と同じで自己の生命を脅かす存在と言う明らかな脅威に対する単純な反応でしかない。
包丁向けられたらビビるのと同じ。無論昼だろうがゾンビが出てたら死人が動くだけにホラーだが、本質的にはエイリアンとか殺人ロボットが敵なのと大して変わらない。
ファンタジーとホラーの融合を目指したのかも知れないが、そう言う訳で実際には書き過ぎもあってどっちつかずになり焦点がぼやけてる。
廉麟絡みがホラーとされる部分なんだろうがそもそも全然恐くない。
だって廉麟全然怖くねー。
悪意無いの丸わかりだからな。本人悪意が無くても怖い話ってのもあるがそれとも違う。
不気味な部分を強調したいんだったら読者が興味を惹かれる形でもっともっと謎にしとかないと。
13 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/25(木) 01:09:42.57 ID:zpnYHjq/b
廉麟が一つ目の小型犬を連れてあちこち出歩いてる様子が挿入されているが、だから何って感じだ。
あんなに書いてあれ何の意図があったんだ。書き過ぎはホラーにならないからそれなら恐怖じゃなく不思議方面に行けば何とかなったかも知れないが。
そもそもホラーが恐いのが主人公=読者が自分も危険に曝されるが故だ。少なくともその懸念があるからだ。ところが広瀬はずっと安全圏にいる。
汕子と顔突き合わせた場面は怖かったがそれ位で、しかも使令らに庇護者と認められて本人も安全だと自覚してしまった。
だから他の場面で色々な危機を演出した野かもしれないが、全然無関係な場所で無名のモブが危険な目に合おうが読者がハラハラするはずもない。そもそも手出し出来ないしな。
無論モブじゃない高里の同級生らも危険な目に遭うが広瀬がそれに何か関与出来る訳でもなく要は傍観者だ。当事者じゃないのに読者に恐怖を与えられるかって事だ。
高里の家族の遺体発見のような描写があればグロ方面には行けるから物理的な気持ち悪さは演出出来るがそれだけ。
14 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/25(木) 01:11:15.54 ID:zpnYHjq/b
だがそんな広瀬視点以外が無ければ話は変わって来る。
例えばメリーさんの電話が恐いのは淡々とした電話だけでしかも相手が徐々に近付いて来るらしい事が解るだけで他に情報がないからだ。
「私メリーさん。今ゴミ捨て場にいるの」
「私メリーさん。今△△にいるの」
「私メリーさん。今○○にいるの」
「私メリーさん。今あなたの家の前にいるの」
「私メリーさん。今あなたの後ろにいるの」
状況が異常なのは確かだが相手の目的に対する情報が全く無い。だから判断できない。だから怖い。
仮にゴミ捨て場に捨てられた人形が復讐心を持って元の持ち主の所に行こうとしてたとして
ゴミ捨て場から人形が這い出て歩いて行く様子が描写されてもそれなりに怖いかも知れないが情報が与えられたが為に不気味さは半減する。相手の目的が確定するからな。
恐怖の方は描写次第では減らないかも知れないが上でも書いたエイリアンとか殺人ロボットと同じ物理的な危険に対する反応に過ぎなくなる。
なのでこの際広瀬以外の視点の部分をバッサリ切ってしまっても良かったと思う。
安全な傍観者が出来る事は自分の無力さを嘆いたり理不尽に憤ったり高里を保護したり基本は人間関係のトラブルに起因する出来事に対処する事だ。
だったら無関係な場所での廉麟エピは事件を謎にせずそのまま読者に提示する上焦点をぼやかすだけにしかならない。
むしろメリーさんの電話を手本に、噂だけ知っててそれが徐々に学校に近付いて来くる事に気付いて不気味さを演出するとかで事足りたのでは無いか。
広瀬には準備室というホームがある上そこに生徒が集まるから、そのうちの誰かを情報源にすれば1つの噂を継続して耳にする理由にも出来る。
15 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/25(木) 07:24:31.45 ID:sISwhaSQw
長々と書いたが纏めると“ホラーは読者が想像力を働かせる余地を残さないと怖くない”に尽きる。その為には不用意な他者視点は邪魔だ。
なお廉麟じゃなく高里の使令関連も重要なホラー要素とされてるんだろうが、大半は被害者と言う名の他者(それも殆どはモブ)視点による書き過ぎ描写と言う問題の本質は変わらない。
次に実際に他者視点の部分を個別に見て行く。
16 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2015/06/29(月) 12:32:21.06 ID:jzsO4mo1N
(1)冒頭:10歳の高里の冬の庭立たされ
広瀬以外の視点のうち唯一ここだけはあってもいいかも知れない。描写が冗長で臨場感に欠けるのは残念だが内容には問題ない。
何故なら物語のキーである高里の神隠しが犯罪じゃなく本当に神隠しだったと提示できるし広瀬視点以外がここだけなら他との違いを印象付けられるから。
風の海プロローグでも同じ内容になってるので風の海でそこに気付いた読者へのファンサービスにもなってる。
なお魔性の子の舞台は明示されてないし実在する土地をイメージしてるかどうかも不明。
wikipediaによるとドラマCDでは太平洋に面した郊外だそうだが小説が同じ設定か不明なので考慮しない。アニメも横浜が舞台だそうだが同じく考慮外。
しかし架空の場所とするとそこで終わってしまうため少なくともイメージした土地はあると仮定して考察するとそれらしい情報は
内陸県以外+関西圏じゃない+地下鉄のある都会って事ぐらい。その他の描写は全国どこであっても不思議のない内容。
このうち少しでも場所を限定できそうな情報は地下鉄。これなら10個以内に絞れる。初版当時既に地下鉄があった都市のうちまず関西圏を除外。
それから冬栄で蓬莱の家では雪が降るのは時々しかなく戴ほど寒くもないが漣ほど暖かくもなかったとあるので北国でも南国でもない。
第一北国なら2月の庭の雪が少な過ぎるしそこに10歳の子供が薄着で一時間も立ってられると思えない。第一凍死する。
そうすると北から順に東京・横浜・名古屋・福岡しか残らない。福岡は南国っぽいがそもそも九州も冬は東京より寒かったり夏は関西の方が暑かったりもする。
なので残ったどれでも良さそうではあるが、方言が出るのが高里祖母だけで後は黄昏で出てきた古い住民も標準語なので横浜を含めた東京近郊と考えるのが無難だろう。
17 :
イラストに騙された名無しさん
:2015/07/01(水) 10:18:25.65
陽子も泰麒も南関東の可能性が高いとすると偶然にしても近すぎるよね
尚隆が瀬戸内で六太は京都だけど時代が500年は昔だし
現代が舞台ならつじつま合わせのために自分が知ってる土地の方が書きやすいってことかな?
18 :
イラストに騙された名無しさん
:2015/07/01(水) 19:41:10.46 ID:wcvPbAWkl
500年前の描写も方言とかは出てきてなかったはず
そうすると言葉遣いは舞台を限定する情報にはならないかも
19 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2016/01/07(木) 09:59:39.30 ID:YyuIW88jM
さて広瀬以外の視点のうちモブによる物は8箇所ぐらいある。ただしうち1個は群像風に数行単位で色んなモブの視点が羅列されてるので実際はその倍ぐらい。
群像風以外のモブには前振りとして全員に長々とした心情描写が付いてて、どれも多分人間としての厚みを与えてシーンに重みと言うか“本当らしさ”を持たせたかったからだと分析出来る。
確かに何書いてもフィクションと感じられたら説得力ないしな。その辺が巧い作家だと科白一個でも効果的に人物の“奥行き”を表現出来るし、そう言う演出を目論むの自体は悪くないのかも。
ただ残念ながら斧さんて人物描写が巧くないと言うかストーリーテラー型じゃなくアイディア型だから書けば書くほど厚みじゃなく冗長感が増えて臨場感から遠ざかってる。
なので本編と同様に単に余分な描写の羅列になって、本当に提示したかったろう廉麟関連の焦点がぼける結果になってる。
実は焦点ぼけてもいいんだが、それならそれで逆に数行程度でモブ側の人生に対するドラマを感じさせるようにしてそっちで何か訴え掛ける物を残さないと、結局書かれた内容全部が只の雑音になってしまう。
20 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2016/01/07(木) 10:02:33.83 ID:YyuIW88jM
(2)帰宅途中の酔っ払い(広瀬が向かいの校舎の高里の首から腕が生えてるのを見た後)
モブ視点1個目。酔っ払いのリーマンか何かが夜帰宅中に団地屋上で麒麟他が光りながら出現して飛び去るのを発見。
で、それまでに長々と他人の家のチャイムを鳴らした事とか郷里の枕返しの話とか自分の回想してる。
おかげでホラーと銘打ってるんなら怖さとか、そこまで行かずとも得体の知れないナニカを表現したかったんだろうけど
“それで?”と肩をすくめる程度の軽い雰囲気に留まってる。そりゃ序盤だから怖くなくてもいいが
リーマンの長々としたつまらない回想の方が量多いから焦点ぼけぼけで何だかなと言う感じ。
無論ちゃんと描かれれば酔っ払いが自宅を間違えたとかの平凡エピでも良くて、むしろありふれてるだけに“本当らしさ”への道筋がついて臨場感に繋がり得るてのはある。
それもあって斧さんとしては丁寧に描いてる積もりなんだろうが、結果は人物に深みを与えるってより本筋に関係ない余計な情報になってる。
二度と出て来ないし一生けん命書かれた心情情報もその場限りで他とは一切関係無いし、かと言って的確な描写で読者に訴えかけるようなドラマを窺わせる訳でも無い。
ゴミ情報を沢山出されても逆に本当に重要で作者の言いたい事が紛れて埋もれてしまうと言うか、メリハリがついてない。
あと枕返しの回想はそこから次の麒麟出現の不思議に話を繋げたかったからてのは解る。が不用意な他者視点は臨場感どころかそれ自体が只の雑音になり得てしまう。
体験するのと傍観するのとでは恐怖感に大差があるから、ホラーではいかにして臨場感を持たせて読者を登場人物の目線にさせるかが大事。
でも主人公と無関係な1シーンだけのモブはデフォで感情移入が妨げられるからよっぽど巧く描かないと逆効果になってしまい、尚更臨場感がなくなる。
そうすると当然読者の心情の振れ幅も小さくなる。恐怖だの何だのってのは感情が敏感に振れないと駄目なのに逆に鈍磨させてしまう残念な結果になり、結果、只の雑音になる。
とか色々書いたが、モブ1人目だけあってこの段階だとまだマイナス面はそれ程大きくは無い。
演出的にもこのシーンだけで恐怖を与えようとは別にしてないし、むしろ不思議方面に行ってるから傷は浅い。まだね。
21 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2016/01/07(木) 10:04:24.71 ID:YyuIW88jM
(3)廉麟を車に乗せた男(広瀬が後藤から神隠し事件について聞いた後)
で深夜の海岸で廉麟を拾ったナンパ男だ。さっきのリーマンは1人目なのでマシだったが次のこいつは完全に駄目。
男自身の無関係な心情描写が徒に増え、作者が本当に提示したかっただろう廉麟関連に辿り着くまでが長くてメリハリ無い上、
夜中に拾った女を車に乗せて気付いたら消えたって昔からオカルトでよくある話で目新しさの欠片も無いネタ。
目新しさが無くてもそれなりに読者の心に迫るようにできれば良いが、それって王道だが実は非常な文章力が必要。
そして長々と心情描写出してるにしては人物造形に深みを与えるってより単に冗長なだけなモブ視点なので、不気味さや
恐怖を与えたかったのだろうシーンの焦点がぼけて無残に失敗してる。
ネタがありふれてると言っても2ちゃんの投稿レベルでも恐いのは恐いからぶっちゃけ純粋に技量の問題だろう。
廉麟がちょっと足りない人みたいになってて、そう言うのでも恐かったりするケースがあるがここは違う。
作者の作為を感じない“ちょっと足りなさ”じゃなく怖がらせようとの意図が鼻についてる上、実際には廉麟に害意とか悪意とかが窺えないのが痛い。
おかげでホラーなのに物語的に多分害はなさそうとこの段階で感じてしまい危機感を覚え難い。
その為ナンパ男が廉麟を不気味と思ったとしても読者の共感を引き出すまでは到底至らず鼻ほじりながら読み飛ばされる感がひしひししてる。
何しろ男が勝手に怖がってるだけに見え、多分ネタを明かせば女(廉麟)にちゃんと理由があるんだろうなと思えてしまう。
つまり理性で判断が効く。理性が効くようでは恐怖にならない。
22 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2016/01/07(木) 10:09:15.62 ID:YyuIW88jM
(4)塾帰りの小学生(岩木の事件後準備室に逃れた高里と広瀬の会話の後)
前2人と同じで人物設定を与えて厚みを与えて“らしさ”を出そうとしてるがさらに冗長に。
何よりリーマン、ナンパ男と続いてここで廉麟に害意が無いのの駄目押しになってる。つまりこれから先不幸な事件が起こったとしても彼女の故意ではないと確信レベルで感じるのでホラー的に非常なマイナス。
(一つ目犬は人に危害を加えてるが要は相手への反撃なので、恐怖を感じたとしてもあくまで物理的な被害に対して)
無論神獣麒麟なんだから別に無理して恐怖方面に向かわなくてもいい。実際高里を捜索してるだけで言うなら高里の助力者か救い主みたいな存在なんだから。
でもそうするとじゃぁ何で不思議方面じゃなくここも他も不気味を匂わせたい様な描写を出してるのかって話になる。
23 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2016/01/07(木) 10:12:25.86 ID:YyuIW88jM
とにかくこういったモブ視点エピ群の狙いが何だったにしても失敗してるのは確か。
例えば最初は遠方での出来事だったのが話が進む毎にだんだん近付いてるのを匂わせる描写なら「よく解からないけど近付いて来てる?」と
正体不明の不安を与える事で広瀬の日常と対比も出来るが、この話では場所はあっちこっちに飛んで読者の予想を許さないからそう言う演出でも無い。
かと言っていつ何が起きるか解からずに常に緊張してるって類の恐怖でもない。
結局モブの話はモブの話でしかなく主要人物が近くにいた訳でもないので、広瀬とてんで関係ない話って印象に終始してしまう。
広瀬の日常話の合間に挿入されてる各モブ話が“そこにこそ挿入する意味があった”と後で明確に必然性を覚える理由があれば違ったろうが。
もっとも実際には傍観シーンなら傍観シーンで別にいい。そもそも無関係なモブ視点ならそれしかなり得ない。
だったら無駄に内面の心情描写を入れずに外側からの描写だけで淡々と済ませて後は読者の解釈に任せた方が遥かに良い。広瀬視点の本編の邪魔にもなりにくいし、逆に想像の余地が広がる。
つかミステリーやサスペンスじゃ普通にありそうな演出だ。本編の合間合間に犯人サイドがその場限りのモブと接するシーンが幾つも挟まり
余分な心情描写はないか邪魔にならない必要最小限で、基本は外部から見える行為や科白の淡々とした描写に留まる。
読者はそれを読み進める事で、逆に描かれてない余白の効果で想像力が働いて悲劇への予感を覚えてハラハラする。
無論個々のシーンでの明示はされないが描写の集積によって読者の思考が誘導される仕掛けがあるって前提は必要だが。でないと“予感”を導けないからな。
24 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2016/01/07(木) 10:15:24.81 ID:YyuIW88jM
(5)群像(寝ていた広瀬が眼前に出現した汕子と顔を突き合わせた後)
・学校の帰りの子供。廉麟に遭遇。その後廉麟は消失。
・廉麟を乗せたタクシー運転手。車の中から消失。
・終電を待つ女。線路に飛び降りた廉麟は終電に轢かれたはずなのに消失。
・自室にいる女。廉麟と一つ目犬が出現、すぐ消失。
・町外れで廉麟をナンパして車に乗せた男ら。一つ目犬に咬まれる。その後廉麟は消失。
・公園で遊ぶ子供ら。砂場から一つ目犬と大きな獣(麒麟?)が出現。飛び上がるようにして消失。
・団地に住む人々(少年、幼児、老女)。廉麟と一つ目犬が出現、すぐ消失。
これなー。酔っ払いリーマン・ナンパ男・塾帰り小学生での話しと本質は変わらんよなここ。似たような事を看板(人間)変えて数行単位で羅列してるだけだから。
おかげでそもそもこのシーンを入れた目的は何だと再々度考えてしまう程余計。
あとやっぱり廉麟に対して読者に何を感じて欲しいのかが解らん。得たいの知れない存在を表現したいんだろうってのは物語の構成的に分析出来るが。
それでもリーマン〜塾帰り小学生の焼き直しでしかない同じ印象のシーンを幾つも羅列する意味が解からない。
彼女と一つ目犬を見て読者にどう思って欲しいんだ?恐がって欲しいのか?こんなにあちこち盛大に露出したら不気味も何も無いのに?と本気で首を傾げるレベル。これだけ長々と書いちゃぁむしろ逆効果だろう。
まあ怖がって廉麟から気持ちや行動が逃げてるモブばかりでかつ
ボッチか仲間以外その場にいないか他人とやりとりしないかの“閉じた”存在ばかりな為印象が全部同じに思えるので
居合わせた他人と思わず顔を見合わせて何か会話するとか、逆に疑問に思って廉麟を追っ掛ける無鉄砲タイプもしくは
警官や警備員等職務上そうするのが当然なモブがいても良かったかも知れない。小手先レベルでも多少は目先が変わったろう。
25 :
魔性の子分析
◆IhXtHWmEKE
:2016/01/07(木) 10:16:21.03 ID:YyuIW88jM
なんにしろ作者としては読者にこういった部分の描写にも興味を持って貰いたかった筈。でなかったら書く筈がない。
ところが実際はモブを入れ替えただけで中身は大して変わらないので驚きも意外性も全く無く、広瀬視点の本編の合間に流れる
“よく解からないが有象無象が妙な目に合ってるらしい”程度の雑音レベルに留まってしまってる。
しかし雑音と言うにはそれぞれの文章量も回数も多過ぎるので斧さんの意図としては雑音じゃなかろうなあ、
ちゃんとそれなりに興味持ってドキドキして欲しかったんだろうなあと分析出来て残念な気分になってしまう。
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